1998/08/03 : たなのこと。
Posted at 1998/08/03 12:00:00 0/0
1998年8月。フジロックの余韻が残る暑かった日。旧暦の七夕まつりの日に、この子は"ばた"と一緒にウチにやってきた。保護した時は体重が200gもなく右目はヤニで塞がり、ハナミズを垂らしていた。鳴く力もなくただ丸くなって蹲っているだけだった。
それから動物病院通いと看病の日々が始まった。小さい体をタオルと手製の湯たんぽで暖めて体温低下を防ぎ、高栄養価のカンヅメを猫用ミルクで溶かして注射器を使って食べさせる。たまたま仕事も暇だったので休んだりサボったりしながら、ひたすらに"たな"の看病を続けた。
3週間も過ぎると減る一方だった体重も戻り、"たな"は自力で餌を食べるようになった。苦労したけれど喜びも大きかった。何よりも"たな"が日々元気になる姿を見れることが嬉しかった。
薄墨色の毛。あるかないかわからないくらいの尻尾。短い手足にハナミズ。時々くしゃみしながらのひなたぼっこ。ちょっとおっとりとしていたけど、"ばた"の後をトコトコとついていく"たな"。
今でも夢に見る。よその家の子になった"たな"。多分今でもハナミズを垂らしていると思うけど、元気でいるといいな。
(1st Issue at 2002/09/24 : 2003/12/19 text updated.)
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