...白い快楽。
AZZURISSIMO 11
Posted at 1998/04/23 00:00:00 0/0

自分がスキーを真剣にやるきっかけになった世界最大のオープン参加可能なダウンヒル+GS+キロメータランセレース。開催場所はイタリア北西部の町、チェルビニア。標高2000m。スキー場の最高地点は3400m。そう、このスキー場はかのマッターホルンにあり、イタリアースイス国境の地でもあるのだ。

この世界最大のレース、アズリッシモ。標高差1400m。滑走距離11kmという信じられない数値を誇る。
#残念ながら自分が参加した第11回大会は悪天候のため、短縮コースとなった。それでも標高差は1000mもあった...。

...自分は何故スキーをしているのか。いまだに完璧な答えは出ない。"地球と一対一の関係になれるから"。
これだけはわかっている。
それで十分ではないか。

***

イタリアの空は限り無く青い。麗しき女神チェルビニアは、この日を境にその姿を雲の中に隠してしまった。

古くからのスキーリゾートであるこのスキー場には余計な音が存在しない。

強く吹き付ける風の音、その風によって流れていく表面の雪の音。自分が踏んでいる雪の締まる音。

無心になって滑る。永遠とも思える時間。ただひたすら目の前にある白く大きなバーンを滑る。白い快楽。

寒いところに犬はいる。猫はいなかったなぁ。

個人戦スタート直後の写真。すでに膝が笑ってる。バーンがもの凄く固いのだ。いやそれにしても情けない。

ゴール直前の急斜面。すでに息は上がり、足はいうことを聞かない。コースアウトしないのが精一杯なのだ。こんなところから旗門に入るようじゃだめです。

ゴールしてしばし呆然。 個人戦はこれで終わり。タイムは約7分30秒。

団体戦のスタート。個人戦と同じコースを5人1組で滑るレース。自転車のチームレースみたいな感じの競技。さすがイタリア。考えることがとんでもない。

体が慣れてきたせいか、個人戦よりはましな滑りをしたようだ。

大好きなワールドカップスキーレーサー、ユーレ=コシールとの1ショット。同じホテルに宿泊してた。
いい人。宝物の一枚。

標高3600m付近にある氷河の先端。本当に蒼い氷。舐めてみたけど味は無かった。
(チェルビニアはイタリア側の最高地点が3400mなのだが、スイス側は3800mまである。ここまでくると息が苦しくなる。いやホント)

10日間滞在した、チェルビニアの町。また行けるといいな。

出発の日の夜明け。なんとも言えない気分になった。

(2003/11/18 text updated.)