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中越地震 : 2004/10/26
DIARY/TOPICS 2004/11/03 19:29:28 0/0

2004/10/26。地震発生から4日目。曇天。小雨。
電気が無い暮らしは、日の出とともに起きて、火を熾すことから始まる。

吐く息が白くなる。

今日は寒そうだ。

6:30。朝食。
きのこ汁と焼きおにぎり。
今、話題のスギヒラタケをたっぷりといただく(笑)

この日は現状で足りない資材を調達することにした。
下水道復旧の遅れによるトイレの問題が深刻になりそうなので、イトコは仮説トイレの調達に出かけていった。
そして自分達は、ガスの復旧はかなり先のことになりそうなので、暖房と炊事用の豆炭と炭を調達するために三条市へ行くことにした。
ルートは、国道17号〜国道8号〜国道403号。
長岡市街を経由して三島町〜与板町〜三条市。

向かう途中で、長岡市郊外にある自分の勤務先の本社に立ち寄る。
片付けは大分済んでいるようだったが、社長室にある酒瓶と1t水槽が割れて大変なことになっていたそうだ。
連絡がつかなかった同僚達も集まってきていた。顔を見て一安心。

社長に挨拶して三条市に向かう。
雨足は若干強くなってきた。

与板町の市街を通過。古い町だけに被害が大きい。
傾いた電柱や壊れたシャッター。
ガラスや商品を片付けている姿が見える。

三条市へ到着。
ホームセンターで豆炭を約50kgと炭を20kg、水用ポリタンクを4つ購入。
ホームセンターの次はショッピングセンターで下着類を大量に購入。

意外に思えるほど被災した人達は冷静にこの状況を判断していて、避難生活が長期戦になることを覚悟している。

来たルートを辿って小千谷市に戻る。
三条市から見附市に向かう国道8号は大渋滞していた。
それを避けるには国道403号が有効だった。カーナビと記憶に感謝。

長岡市から小千谷市に向かう国道17号バイパス。
普段なら30分もかからずに行くことができる。
しかし今回の地震によって高架橋に段差が出来ていたり、酷いところは大きく陥没していた。
全体的にも波打っているので、なんだか気持ち悪い感じがする。
これは液状化現象によるものだろう。

田畑を埋め立てて道路や建物を作った場合、基礎としてある程度の砂利を敷く必要がある。
この量をケチると液状化現象が発生しやすいらしい。
小千谷市の郊外にある大規模ショッピングセンターも基礎が悪かったらしく、2階の床が波打って抜けたとのこと。
被害の軽重はこんなことで分かれたのかもしれない。

避難場所に到着。
避難場所の対岸には、あの大規模崩落の現場がある。

小千谷市街へ向かう車で渋滞している国道351号をてくてくと歩いて実家の片付けに向かう。

実家の被害は思っていたよりも軽いものだった。
車庫は無事。裏にある古い物置小屋も無事。使っていない簡易水道のタンク塔も問題無し。
裏手の空き地は、随分前に建築残土を使って埋め立てたものなので20cmくらい沈降していた。
ところどころ、ひび割れが見える。
それでも実家には影響はなさそうだ。

以下、実家の被害を記す。
・母が趣味で集めていた食器(約3割くらいが破損)
・今の照明(ガラス製)
・冷蔵庫の中身(停電の影響)
・ガスレンジフード(外れただけ)
・ブレーカーカバー(外れただけ)
・ユニットバスカバー(外れただけ)
・祖母が大切にしていた観音像(経を持つ手首が折れた)
・仏壇(ちょっと歪んだ)
・2階の部屋のガラス窓2枚
・本棚(約1000冊の本が8畳間に散乱。今回の一番の被害)

と、こんな感じ。5人の人手で2時間くらいで片付け完了。散乱した本はそのままにした。

歩いて避難場所に戻る。
小千谷大橋のたもとの被害を確認。
崖際に立つ家がなんとなく傾いていた。
もうだめだろうな。

電気の補修作業が行われていた。
山形の人達らしい。
支援に来ていただいている方々に深く感謝。

崩落現場の周りが慌しい。
何かあったのだろうか?
余震による2次災害でなければいいのだが。

日は急速に暮れていく。

18:00くらいにみんなで火を囲んで夕食。
煮込みラーメンと焼きおにぎり。
焼きおにぎりは、配給で配られたものを焼いている。
ちなみにパンは余り気味。
おやつ代わりに食べているようだがその量はなかなか減らない。
寒い時の冷たい食事は喉を通りにくいのだ。

弟は国道17号の復旧工事で今晩は徹夜。
雨が強くなってきているので心配だ。

金融関係に勤めている近所のおじさんが戻ってきた。
小千谷市の南部。上片貝から塩殿、岩沢の被害を直接見てきたらしい。
やはり山が近いせいか、被害規模は大きく半孤立に近いとのこと。
そして、盗難事件があったことを知らせてくれた。
やはりそういういことはあるのだと実感する。

22:00過ぎまでイトコと馬鹿話をして寝ることにしたが、この夜は寒かった。
長袖Tシャツ+フリース+ジャージ+スキーウェアを着ても、寒くて寝ることができなかった。
時折くる余震に揺られつつ、昨晩と同じく呆然とした長い夜が過ぎていった。

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