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違和感。
DIARY 2004/04/21 11:08:58 0/0

イラクでの人質事件は一応の解決となった。

しかしこれは終わりではない。
むしろ始まりなのだと思う。

いろいろな場面、局面において、その当事者に「責任」というものが発生する。今回のような治安が悪く、情勢が不安定な地域では支援活動であれ旅行であれ、身の危険というものは常に付きまとう。
彼らが負わなければならないことは、自分自身への安全確保ができなかったという点だけで十分であろう。

フランスの新聞、ルモンドの記事を紹介したヤフーニュースより。

20日付フランス紙ルモンドは、イラク日本人人質事件で、日本政府などの間で「自己責任論」が台頭していることを紹介、「日本人は人道主義に駆り立てられた若者を誇るべきなのに、政府や保守系メディアは解放された人質の無責任さをこき下ろすことにきゅうきゅうとしている」と批判した。
 東京発の「日本では人質が解放費用の支払い義務」と題した記事は、解放された人質が「イラクで仕事を続けたい」と発言したことをきっかけに、「日本政府と保守系メディアの間に無理解と怒号が沸き起こった」と指摘。「この慎みのなさは制裁まで伴っている」とし、「人質の家族に謝罪を要求」した上に、健康診断や帰国費用の負担を求めたと批判した。
 記事は、「(人質の)若者の純真さと無謀さが(結果として)、死刑制度や難民認定などで国際的に決してよくない日本のイメージを高めた」と評価。パウエル米国務長官が人質に対して、「危険を冒す人がいなければ社会は進歩しない」と慰めの言葉を贈ったことを紹介した。(共同通信)

今回、感じた違和感はここにある。
結局、日本人の大半は「ムラ」という集団に無意識に所属しているのである。
集団に属していれば、未成熟な個人でも安全が確保できるからだ。だから集団の和を乱す人に対しては容赦ない呵責があるだろう。

そういう理由がなければ、ここまで被害者のプライバシーを書き立てる必要はなかったはずだ。
これらの報道を行ったメディアの矜持はどこにあるというのだ?

話を戻して。
仮定として、自衛隊がイラクに派遣されていなかった状況を考えると、今回の人質事件の発生確立は低くなっていただろう。むしろイラクの人たちとの友好関係をもとに、NGO/NPOの積極的な人道支援活動が望めたのではないだろうか?そして政府はそのような団体の活動を積極的に支援した方が、税金の使い方として効率的である。そうすれば諸外国に対して「官民一体となった支援をしてますよ」というアピールができたかもしれない。

派遣されている自衛隊も事実上の死地にある。安状況悪化により支援活動ができず駐屯地に閉じこもり、かといって撤退することも難しい状況に追い込まれている。

これでは派遣されている人たちが気の毒だ。
派遣されたからには、支援活動によってイラクの人たちの力になってほしいと思う。今後の救援/支援活動へのいい経験になるし、自衛隊が将来的に国際救援隊となる布石にもなるだろうから。それなのに何もできず、ただ日々を汲々として過ごすのみ。これでは「行った、そして帰ってきた」というだけである。

先日、外国人記者クラブで自衛隊の3幕僚長が記者会見に応じたときの幕僚長の発言より。
「自衛隊は、いまの連合軍の枠組みからは外れている」
こんな言葉が出ること自体が、自衛隊という微妙な立場を物語っている。

イラクの人から見れば、「武器をもって迷彩服きた外国の武力集団」は占領軍である。「自衛隊は軍隊ではない」という日本政府の詭弁を理解できるはずがない。

迷走するイラク情勢。追い込まれたアメリカ。犬のように迎合する小泉と日本。
日本という国が成熟し自立するためにも、無関心になってはならないのだ。

ということで結論。
「後で楽するために、今苦労しておけ」
これにつきる。

***
これだけ書いて読み返してみると、論旨が破綻していそうで冷や汗が出ます。反省。
と、言ってるそばからこんなニュースが。
この人はつくづくマイナスイメージが出やすい人だなぁと。
やってることは堅実なんだけど、冷笑癖とエリート意識が抜けない限りは、人望を得ることができないと思われ。
(2004/04/21 18:32追記)

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